ブティックのお仕事

デザイナーズ&キャラクターズブランドのお店で働くことは
私が大学生の頃くらいから随分人気が出てきたと思う。
いやいや
私がファッションにあまり興味がなかったり
家の近くにブティックと呼ばれるようなお店がなかったから
知らなかっただけかもしれないが。
ハウスマヌカンと呼ばれ
きれいでセンス良く洋服を着こなし
あんな風になりたいと思ったものだ。
その前に
おしゃれなお店に入ることさえ
センスのない私にはできなかった。

五十代後半・・・犬とお散歩していると
我が家の近くに超おしゃれなブティックを見つけた。
10年以上前からあったようで
なぜ今まで気づかなかったのかと思う。
店自体は大きな通りに面しているわけではなく
商店街にあるわけでもない。
小さなお店で、たたずまいは決して派手ではない。
4階建ての小さな新しくはないビルの1階に
とってもかっこいいお洋服がディスプレイされていた。
ディスプレイが変わるたびに
「かっこいい!あんな服が切れたらいいな~」と
ほれぼれと、しかし横目で見て通っていた。
犬の散歩なので、仕事が終わって夕方も遅い時間
お店はいつも閉まっている時だった。
お店は「yoshieinaba」
まさにあこがれのブランド。

そんなお散歩を2年ほど続けたある日
「アルバイト募集 制服ご用意あります」の張り紙を見つけ
ヨシエイナバの洋服が着れる!という思いで
「アルバイトさせてください」と飛び込んでみた。

一度もyoshieinabaの洋服など着たことないのに
よくぞ図々しく入っていったものだと思う。
数日して店長から「週1からはじめましょうか」との言葉。
制服は季節ごとに上着のみで
下は黒のスカートかパンツ。
これさえ着れば、かっこよくなるはずと
通い始めた。

さて、上着の下のTシャツ、黒のスカートやパンツ
あと、靴。
これまで、普通に着ていたように着ていくと
靴がカジュアルすぎる・・・
もう少しスカートの丈は短めに・・・
靴の色が合わない・・・
など、自分では普通の組み合わせが
ちぐはぐだったことに気づかされた。
言われるとおりに変えてみると
確かに手持ちの洋服でも違う印象になった。
え、なんで?

新しいお洋服が入ると試着することもある。
ステキなお洋服だと思って着てみても
あれれ?なこともある。
そんな時は
襟を立てたり
袖をまくったり
スカーフを巻いたり
ベルトをしたり靴を替えたり
裾を折ったり
バッグを持ったり・・
としているうちに
バシッと決まる。
え、なんで?

みんながトルソーのような体型ではないから
そのまま着たのではきれいに収まらないそう。
好きなお洋服を着るにはそれなりの工夫が必要。
そして、この服を着てやろうという心意気が
決まらせるんだそうな。
面白い。
同じ洋服でもカジュアルにもなるし
セミフォーマルにもなる。

後は生地のこと
自分が気持ちいいと思えるものでないと
なかなか着ない。
お洋服は袖を何度も通すうちに
その人にしか似あわなくなるんだとも。
そして、よい生地のものは
リメイクしてもよいものになる。
違う形で着たり、使ったり
環境にも優しい。

私だったらそんな着方しないという着方が
とっても素敵な洋服を着た人に変身させてくれる。
例えば腰の部分がうまく調和していないと
部分的なことを気にしていても
全体としてはバシッと決まっていることがある。

さすが50年のキャリアと思う。
私はそれなりにおしゃれを楽しんでいたつもりだけれど
いやいや
ステキな人になるには
まだまだ工夫が必要だと思う。

もっとたくさん見ていきたい・・のに
残念なことにyoshieinabaのブランドは
この秋冬で閉じるとのこと。
そんなこととは知らず勤め始めて
半年足らずだけれど
洋服の生地、形、縫製などのこと
学ばせていただいている。
そして、なにより、おしゃれは楽しい。

タイトルとURLをコピーしました