家庭基礎  はじめの調理実習はピザづくり!

生徒が家庭科でやりたいことNo.1は「調理実習」!
「それはそうだ!」と思うし、「作る」活動を楽しみにしてくれていることはとても嬉しい。

今や外食だけでなく、コンビニやファストフード店、お弁当屋さんも多く
デリバリー業界の発達なども考えると、作らなくても食べていけるのだ。
そんな中でも、生徒は食事を作ることを楽しみにしてくれる。
このコロナ禍、キチンと丁寧に注意事項を守り、身支度はもちろん手指消毒・・・
そして黙って速やかに調理をすすめる。

調理実習の目的は何だろうか?

調理実習の目標

調理実習では、安全な正しい調理の知識と技術を身につけさせるとともに
調理の楽しさを味わわせることを目標としている。

調理実習の留意事項

特に教師は、安全に実習が進むように細心の留意する必要がある。
実習前に身支度は整えているか、手洗いは十分かなど
実習中は包丁やガスの扱いは安全か、食品・調理器具等を衛生的に扱っているか。
実習後は、食中毒など健康を害するようなことは起きなかったかなど
あとの経過もしっかりと把握しなければならない。

さらに、今は感染予防対策として
生徒の健康状況のチェック、手指の消毒及びマスクの正しい着用
調理台・食器・器具類の消毒、実習室の換気、試食中の感染防止など
細心の注意を必要とする。

さて、そんな緊張の中で最初に行う調理実習は
衛生、安全についての知識をしっかりと身につけさせ
手作りの良さを実感し、楽しむことで調理への意欲を高めさせたい。

そこで、第1回の調理実習のおすすめはピザづくり

初回実習「ピザづくり」がおすすめの理由

①意欲の高さ

◇ピザは生徒の多くが「好き」と答えるメニュー。
◇家で作ったことがないという生徒が多いので
生地やソースを作ることに驚きと期待を持つ。

②作業過程が単純

◇生地は温度に気を付けておけば、しっかりとこねることが主な操作。
◇包丁の取扱いの注意も学ばせ、切り方はうす切り、みじん切り。
生地作りと並行して行うので、ゆっくりと切り方を指導できる。

③できばえ

◇パンのようにふっくらとならなくても、美味しく食べることができ、ほぼ失敗がない。
◇生地の成形、トッピングは自分のものをさせるので
ひとりひとり出来栄えが違うオリジナルなピザができる。

④時間の配分

◇2時間連続の授業110分で身支度から片付けまで余裕をもってできる。
◇発酵させている時間や焼いている時間に片付けの指導ができる。

 

授業の実際

1 ピザづくりで学ぶこと

①強力粉の性質

自分たちでこねることによって、強力粉の粘弾性を実感させる。
生地はこね始めはべとつくので、生徒は、「水が多すぎるのでは?」とか
「粉を追加したい」など分量の配合を間違えたのでは!?と疑問をもつが
しっかりとこねているうちに、グルテンが形成され、弾力が出てきてべとつかなくなる。
ここでまず、小麦粉の性質「すごい!」と思わせる。
この後のドウの変化を観察させる。

②ドライイーストの扱い

温度の管理には気を付けるようにさせる。
ドライイーストの働きを促進する適温を温度計で温度管理させながら、肌で実感させる。
適温でこねた生地は、イーストの働きで、中にガスを含んで2倍に膨らみ
さらに焼き上げることでふっくらすることを確かめる。

③ピケの役割

できあがった生地は、そのまま焼くと真ん中が膨れるが
均一にふっくらと平たく焼き上げるためにはピケが必要。
新しい調理操作を学ぶ。

④ピザソースが自分で作れる

美味しいソースは市販のものでなくても、自分で素材から作れることを知る。
みじん切りの仕方や火加減の調節も身につける。
〔作り方〕
ⅰ)にんにくを、うす切りからせん切りにし、みじん切りにする。
ⅱ)にんにくを焦がさないように火加減に注意し、香りを引き出すのために炒める。
ⅲ)香辛料とトマトを加えて煮詰めることで、コクを出し
生地に塗れるくらいの濃さにする。

⑤トッピングに適した野菜、ベーコンの切り方ができる

ⅰ)ピーマンと玉ねぎは、食べやすいように
焼くことでしんなりするようにうす切りにする。
ⅱ)ベーコンは、うす切りの物を使い2cm幅に切る。
ピザってどうなってるかな~とか、焼くだけである程度加熱できるように~
ということを考えさせる。

2 コロナ禍での役割分担と個別調理の工夫

ほとんどの材料や器具は、多くの生徒の手に触れないように
教師が班ごとの材料を分けておくことが必要。

班ごとに材料や用具をすぐに使えるように準備したあと
一斉に「生地をこねる」と「ソースづくり、野菜等のカット」の2人で役割分担をして
平行してすすめる。
3人以上の場合、なるべく向かい合わせにならないように立つことも心がけさせたい。
材料を手元に準備させた後は、一斉に教師の号令ですすめることができる。
こねる操作は、力加減によって差はできず時間で区切ることもできるくらいの分量であるし、
野菜等も少量なので切る操作も人によってさほど時間に差はない。

感染予防対策としては、こねる操作、トッピングを切る操作は手袋をさせて行い
成形とトッピングは自分の物は自分でさせる。

試食が向かい合わせになる場合は、教室の事績で試食をさせる。

【参考】ピザづくりタイムテーブル

初めての調理実習であることから、各班の操作に任せるのではなく
一斉に操作ができるように、教師の支持で動くようにさせることはとても大事。

終わり15分の時間で、片付け及び自己評価を記入させる。

3 振り返り

何度も家で作ってみて、これなら生徒も時間内にできるように指導できる!と
取り組んでみたものの、気の抜けない2時間。
それぞれの班の粉類を計量したり、成形のための型を人数分準備したり
生徒の動線を考えて用具を準備したりと、事前準備も気合がいる。
当日の板書は、感染予防対策、衛生管理と片付けの留意事項
調理のタイムテーブル。これも分かりやすく工夫。

1年生初めての調理実習は、生徒が待ちに待った時間であり
喜んでざわつくことも予想されたが
前段で記述したように、あれこれと気を回して準備をしたことや
整然と実施することがよい結果であり楽しい実習になること
また、コロナ禍における調理実習は特に感染予防対策のため、身支度はもちろんのこと
作業中の会話も最小限にすることなどを約束をして
スムーズに開始した。

また時間配分通りに進むかどうかが心配されるところではあったが
教師の支持で一斉に操作を行うことで、てきぱきと進み、時間通りに終えることができた。

出来栄えについても、その時々に支持を与えたことから
大きなミスはなく、美味しいピザを試食することができた。

生徒は、まず、自分で生地を作ることができたことを喜び
ふかふかのピザ生地に感動していた。
材料も日常の買い物で手に入る程度の物なので、家でも作ってみたという生徒が多かった。

身支度、衛生管理、片付けなどについては、繰り返し行うことで
迅速に行うことができるようになる。

今回は、簡単な調理操作をやってみるという中で、強力粉の変化に気づき
生地作りのコツを実感を持って覚えてほしいと考えた。
野菜の切り方はうす切りのみであったが、包丁の取り扱いは押さえることができた。

おわりに

昨年度から取り組んでいるが、ピザは第1回目の調理実習にはぴったりの内容。

本校では幸いにも家庭基礎を2時間連続で実施させてもらっているので
今回の調理実習も余裕をもって行うことができた。

今回は初めての調理実習であったので、まだ調理に関する知識が足りないのと
実習室の扱いに慣れていないなどの理由から
教師の主導で進めたが、実際に調理したのは生徒であるので
楽しく調理して美味しく作れたことを高く評価したい。

作るって楽しいね!自分で作ったのは美味しいね!作りたてが食べられるって幸せ!
そんなことを感じられるような調理実習をくりかえし
自分で食生活をコーディネートできる人に育ってほしいと願う。

成功体験をくりかえしながら
徐々に技術の向上、時間配分、段取りなどを自分たちで考えるなど
少しだけ高いゴールを目指した実習を仕組んでいきたい。

生徒が「美味しい!」と笑顔で試食している姿は本当に嬉しい。

 

 

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